8月18日:元親友・BOOK OFF・ドラム・カラオケ

元親友
 元親友は私に影響されて空手部に入ったものの、現代の伝統派が持つスポーツ的ルールに納得がいっていなくてしばしば愚痴をもらしていた。というのも、私は伝統派ではなく、どちらかというと極真や空道に近い流派に属していたからだ。幣派はフルコンタクト、顔面への攻撃、金的、刃物戦を想定していた。それを見てあこがれてしまったのだから、伝統派に属しても満足いくはずがなかろう。彼は”メンホー”を付けるのも、”寸止め”のルールも嫌っていた。私と元親友と、もうひとり極真のM君とで話したときに、これらにのルールに対する非常にもっともと思われる結論を出した。それは、「メンホーをはじめとする防具の過渡な使用や寸止めは格闘技としての空手をスポーツ化させ、”武術”の消滅の原因となる」というものである。その根拠とする我々の共通見解は次のようなものだ。「格闘技をしている以上、攻撃を当てるほうではなく、当たるほうが悪い」。だいぶ過激で、生存バイアスに影響された結論ではあるが、武術の存在目的がそもそも自身の生存が目的であると考えられることからして、全く無意味というわけでもないだろう。スポーツとしての空手と、武術としての空手を分ければいいだけなのだから。
 元親友は高校2年生になってから部活に顔を出すのをやめ、私の指導と極真のM君の指導だけを受けていた。その甲斐あってか、市大会前、急に部活の選手決定のための部活内の試合に出て、勝ち進んで選手になることができた。試合は2回戦敗退だが、その理由は、試合相手の背丈が1間ほどある(元親友は168cm程度)選手の後頭部に見事な上段蹴りを食らわせたがためであった。つまり、反則負けになったのである。伝統派のもつ”寸止め”のルールに反してしまったがために、一撃必殺をモットーとする、空手という武術の本質としてはごくごく正しい動きであったにも関わらず、彼は敗北となったのである。もちろん、ルールはルールであるため、敗北になったこと自体は仕方ない。しかし、その部活の顧問は、元親友に「なんの大義もないケンカ空手なんか教わっているからだ」と言い放ったということは聞き逃せなかった。それこそケンカっぱやい彼は顧問との試合を申し込んだが、結局その試合ははぐらかされてお流れとなり、結局彼は部活を辞めた。現在、”寸止め”の定義はかつてよりも緩くなり、3cm程度であったのがその倍ほどでも"極め"さえあればよいと聞いた*1。並行して柔道をやっていた私(中高、空手も同じく)は、歴史を調べるうちに、早い段階で当身がなくなり、中学高校のそれぞれの段階で締め技や関節技への規制、また、捨て身技をはじめとする多くの技の消滅が起きていることも知っていた。いわゆる”技”の数が少ない空手においても、何かしらの形で似たようなスポーツ化が進行しつづけるのだろう。もし、武術が痛みを伴わずに、だれもが安心安全に楽しめるものになったとき、それは本当に”武術”と言えるのだろうか。

BOOK OFF
 音楽スタジオでドラムがたたきたいナ~と思って、最寄のスタジオにシステムを聞きに行ったら、その場で会員登録と当日の予約ができた。1時間後だったから、ちょっと離れたブックオフに行った。買ったのは以下の6冊!
 1. 大槻ケンヂ『ロコ!思うままに』
 2. 大槻ケンヂ『綿いっぱいの愛を!』
 3. アイリアノス『ギリシャ奇談集』
 4. ブッツァーティ『神を見た犬』
 5. 山田昌弘希望格差社会
 ホクホク。

ドラム
 
時間をホクホクとつぶしたらいざスタジオへ。部屋に通されると、小さい部屋に存在感のある『REMO』が居た。座ってみる。ペダルを踏んでバスを鳴らす。左足ではハイハットを閉じる。配信をしながら叩いてみていたんだけど、経験者のまどが、スネアのスナッピーをストレーナでいじる方法や、ハイハットの閉じ具合について教えてくれた。そうした、演奏に必要な最小限の情報をもらって、自由にドラムを叩いてみた。楽しい、楽しい!ロックを叩きたいという理由で買ったスティックはオーク材のボール型。TAMAのものだ。想像していたよりもずっと長いスティックを振る。楽しい、楽しい!腕が楽しくなると足を忘れるのが悔しいが、それもまた楽しい、”まだできるようになることがある!”、こんなにうれしいことがあるだろうか!

カラオケ
 
楽しい気分のまま、ストレーナをはじめとするいろいろなものを原状復帰してスタジを出る。絶対にまたこよう。このスティックにもっと傷をつけよう。そう思った。スタジオでなまじ歌ってしまったせいで、カラオケ欲がいよいよ爆発する。カラオケに入る。歌った曲をすべて書き上げるのは難しいが、とにかく、とにかく楽しかった!そしてもう、時間も遅いのでさっさと筆を擱きたいのだ。とにかく終盤の、KISS"God Gave Rock and Roll to You Ⅱ"、"Rock and Roll All Nite"、そして最後に歌う"Smells Like Teen Spirit"の一連の流れは、もう私のなかでは定番になりつつある。サイコー!KISSサイコー!ロックサイコー!!さ、寝よ寝よ

*1:真偽のほどはわからない