5月17日:寝眠睡、料理したい

 ねみ。心臓がグッツグツグッチグッチグッチユウゾウ。結局朝に仕事がちときて一日中労働。今も労働。その代わり明日は有給みたいなものになる。やっとだよ。夜には最高の放置料理である煮豚を食べた。甘めの汁で煮込む。ねぎ、生姜を入れて豚塊を1時間。完成したら薄〜く切って盛り付ける。薄ければ薄いほど美味しい。油が溶け出すことによって広がる豚特有のミルキーな味が甘塩っぱい煮汁とマッチする。

 最近寝る前に1章づつ読んでいる『キッチンの悪魔』という自伝を読んでいると、もっと真剣に料理したいなと思う。著者はイギリス人で初めて、しかも世界最年少でミシュラン3つ星を獲得したマルコ・ピエール・ホワイトという料理人。しかし、彼は料理の学校などを通ってこず、レストランでひたすらに料理をすることで腕を磨いてきた。奇しくも彼は私と同じく、父がギャンブル依存症の料理人*1だったし、家庭は経済的に恵まれてもいなかった。うお〜。マルコに強く感情移入できちゃう。
 序盤に、『フランス料理総覧』という書籍が出てくるんだけど、これはフランス料理の基本が学べるいい一冊らしい。調べてみたら7000円超えだったから結構悩んでいる。でも、しっかりフランス料理ができるようになること自体めちゃめちゃいいことなんじゃないか?だって、一回基礎をしっかり学べば、一生涯のQOLが変わると言っても過言ではないもの。*2

*1:私の父の当初の本業は仕立て屋であったが、私が生まれる頃には料理人だった

*2:余談。マルコは、「今は肉が切られた状態でキッチンに送られてきたけど、昔は下半身ごと来た」(大意)ってことを言っていた。そこから、彼は自分の持つ自然愛を振り返りながら「真の芸術家は母なる自然であり、シェフはただの職人にすぎない」p. 41という。今はどんどん、生き物を殺生して食べているという意識が薄れ、CAFO(集中家畜飼育施設)が増加し、自然と食品の関連が見えづらくなっている。そのせいか、生き物を殺害して食べているという事実に目を向けずに無視していたり、「だからこそ感謝して食べる」などと話を誤魔化したり(例えば、知らない誰かが、あなたを「殺させていただくけど、感謝はするから許してくれ」と言ったら、甘んじて受け入れるだろうか?)、あるいは、ヴィーガニズムに強い嫌悪感と反論にもならぬ罵詈雑言を浴びせるなど、誰がどうしたらいいのかわからないのではないか、という状態になっている。最終的にいずれの立場を取るにしろ、まずは現状において人間以外の生き物を殺害しているということを、誤魔化したりせずにそのまま受け止める必要がある。これもまた一つ、食が絶対的なものではなく、文化であるということを認識する一つの方法だと思う。