2月26日:綿いっぱいのナニ

 去年買って積んどくしてたオーケンの『綿いっぱいの愛を!』を読んでみたら,最初の記事で30ウン歳の時点で過去を振り返りながら,過去の精神疾患体験をうまく客観化し,自己との距離をとっていて驚いた。

精神の病にもがいている自分自身を面白ネタとして観察してみることにしたのだ。すると例えば「沼の底の魚を想像したら怖くなった」という理由から糸井重里さんの釣りの誘いを断る大槻ケンヂなんてのがそこにいた。自律神経がいかれていたために何もかもが恐ろしく思えてならなかったのだ。

       ー大槻ケンヂ『綿いっぱいの愛を!』(角川書店,2005)

 疾患をポジティブに語りなおすことの有用さ(それはオーケンが疾患をやり過ごすことができたからこそかもしれないが),効用が見て取れるエッセイだと思う。同書に収められているその他のエッセイは「ええ...」となることもあるが,オススメできる一冊だ
 そういえば,この本は人生で初めてドラムをスタジオで叩いたときに買ったんだけど,挟まってるしおりがたまたま私の人生の初期に読んだダン・ブラウンの映画『天使と悪魔』だった。そうか,大体似たような時期にオーケンはこの本をだしてるんだな(というか,オーケンの出した本が文庫化されたんだな),という感想を抱いた。もし,『天使と悪魔』や『ダ・ヴィンチ・コード』ではなく,筋肉少女帯大槻ケンヂが書いた『綿いっぱいの愛を!』を読んでいたらどんな人生だったんだろうか。
 今日はいつも通り仕事をした後,無線機の調子をみたり,CW通信ができるアプリで遊んだりした。無線機は古の秋葉原ラジオタクのブログによって直すための情報を得られた。ありがとう。まだ現代にも,少なくとも2010年代にもああいうオタクが(これは人を属性で括ってるというか,敬意を示している)いてくれることに感謝だ。ちなみに,私の入手した無線機(IC-371)はアホの子と呼ばれているらしい。岩波書店の読書ノートの応募券もたまった。買ったのは『ジェンダー史10講』『同性婚と司法』『財政と民主主義』の3本!来週もまたみてくださいね~~~!ジャン・ケン・ポン!私は”死”を出しました~!ウフフフフフフ!
 とまあなんだかうすら寒い文章を生成する悲しい生き物になっているが,割と最近はキャリアの悩みに押しつぶされそうになっている。あ~あ。そういえばなんか面白いブログネタを思いついたんだけどなんだったんだっけな。ああ,明日仕事いきたくないな。用がないのに週1出社。新聞配達でもしようかな,ウォルト・ディズニーもかつてしていたし...と思ったけど,生活リズムがこれ以上崩壊するとやばそうなのでやめた。でもどうだろう,気が向いて,しかも時間の都合がよければやってみるかもしれない。何事も経験だから。ところでウォルト・ディズニーについて考えると,『ウォルト・ディズニーの約束』で『メアリー・ポピンズ』シリーズの作者,P. L. トラバースがウォルトにキレて「ディズニー!!!」と叫ぶシーンが尋常じゃなく印象に残っている。あのウォルト・ディズニーを「ディズニー!!!」なんて呼び捨てる様子は,他では見れないだろう。